儚い原色の夢

とある人間の備忘録

新宿


ついこの間、都内まで出る用事が有ったので、久しぶりに新宿に足を伸ばしてみた。



学生時代には馴染み深かったこの街も、学生を卒業した今ではなんだか遠い存在のように感じる。



当時の自分は夢を追い掛けて学校に通い、学校帰りに新宿に寄っては、人間観察をするのが好きだった。



学校自体はなんとか卒業した物の、夢には繋がらなかった。



…と言うより、学生時代、恋に溺れ、破れ、夢を放棄してしまった。

と言うのが正しいのであろうが、今思えば、かなり勿体無いと言うかなんと言うか、惜しい事をしたなと思う。

当時は、今思えば、本当に恵まれていたのだな、と感じるのである。




そんな学生時代によく通い詰めた新宿を数年振りに1人で歩いてみた。



冬、と言うか12月が近いからであろうか、街中がイルミネーションで彩られていた。


普段のネオンとはまた違う、イルミネーションの光。



学生時代にもそういう物は有ったはずなのに、当時は何も思わなかったのだが、今見てみると、とても輝いて、と言うより、眩しかった。



それと同時にどこか空虚な感覚になったのである。


不思議な物で。




この光を、いつか「綺麗」だと思える日が来るのであろうか。